背中の痛みがあるのに原因がわからない。そんな背中の痛みでお悩みの方へ、背中の痛みにもいくつか原因があるのです。
尿管結石やすい臓癌などは症状の一つに背中の痛みが挙げられます。思い当たる節がある方は、念のため内科で検査を受けてみるのもよいでしょう。
内科に行っても異常がない場合は、圧迫骨折や悪性腫瘍、脊椎カリエスなど背骨の異常の可能性もあるので、レントゲン・MRIなどの検査も必要だと思います。
しかし背中が痛くてレントゲン・MRIなどの検査をしても、背骨の異常は見つからないことが多いようです。
背骨の異常というと椎間板ヘルニアを思い浮かべると思いますが、椎間板ヘルニアは腰(腰椎)や首(頚椎)には多く見られるものの、背中(胸椎)ではあまり見られません。
というのも腰椎や頚椎は動きが大きく、局所的に負担がかかりやすいため骨や椎間板が変成しやすい部位なのですが、胸椎は肋骨とつながって動きに制限があり安定しているため背骨の異常が起きにくい部位だからです。
ですから椎間板ヘルニアだけではなく、狭窄症やすべり症などの背骨の異常も腰部に見られる症状であり、背中の痛みで背骨の異常を見つけられるのはあまりないというわけです。
しかし痛みがあれば必ずどこかに異常があり、原因があるはずです。 では、背中の筋肉に異常があればどうなるでしょう?
筋肉は体を動かすだけでなく、立つ、座るというような日常ほとんど無意識に行われていることでも、常に体を支えるため働き続けています。
例えばその一つに背骨・肋骨・骨盤につながる脊柱起立筋という重要な筋肉が背中側にあります。その筋肉一つ、一部だけでも正常さを失えば、体は猫背になったり曲がったりねじれたりしてしまいます。 そうなると神経の働きや血液の流れは障害を受けやすい状態になるので、筋肉は疲労しやすく硬くなり、血管は押しつぶされ流れが悪くなってしまいます。
ですから、ゆがんだ体で立ったり座ったりしている時間が長くなれば、痛みが出たり増したりするのは当たり前なのです。そして、背中の痛みのあるゆがんだ体は、内臓機能を低下させることにもつながります。
体がゆがみ、猫背になれば当然お腹側は圧迫され、それが元で胃痛や腹痛を引き起こします。 この場合、病院で検査をしても大した結果が得られず、ストレス性の胃炎で片付けられてしまうケースが多々あります。
また薬を服用しても猫背が治るわけではないので、一時的に胃痛や腹痛は治まっても内蔵機能が元のように働けるようになったというわけではありません。 逆を言えば、体のゆがみを正すことで背中の痛みも改善され、胃痛・腹痛も起きにくい体へと変わっていきます。
病院の検査で異常が見つからなかったためどうしたら良いかわからず、その治療法や対処法で悩んでおられる方は 「背中の痛みの原因は体のゆがみかもしれない」 ということを考えてみてください。
内臓・骨の病気が原因の痛みでなければ、筋肉のバランスを整えることでほとんどの場合良くなるでしょう。 そうかと言って、体を真っ直ぐ意識して姿勢を正しくしても意味はありません。 意識して姿勢を正すという行為は、正しい働きができなくなった背中の筋肉を無理矢理使うことを意味し、逆に悪化することもあります。 またいたずらに揉みほぐすのはかえって猫背を招く結果となりますので注意してください。
普段の私生活ではできるだけ痛みが出たり強くなったりするような事を避けることが大切です。